皆様は親孝行の大切さは良くお分かりと思います。
ところが今の核家族は本当の意味での親孝行がしにくい形なんです。
どういう事かと言いますと、今の核家族は「一代限りで死ぬ」ことを約束された家族なんです。
「一代限りで死ぬ」と言われるとドキッとされる方もいることと思います。
丁寧にご説明しますと、まず男と女の結婚によって夫婦が誕生し、子供が生まれて家族となります。
やがて子供中心の家族の時代が終わると、子供は就職や結婚で一人二人と去っていきます。そして、最初の夫婦だけとなり、やがて一方がこの世を去り、残る一方も亡くなればその家族は消滅します。
現代の核家族は、そんなはかない家族なのです。
それを私は「一代限りで死ぬ家族」と呼んでいるのです。
核家族化した現代では、かわいい孫と祖父母たちは一緒に暮らしていませんから、子供たちにしてみれば「孫を見せてやっている」ということが「親孝行」だと信じて疑わないのです。
本当の意味での「親孝行」とは子供が自分の親によく仕えること、という意味なのですが、親の喪に服す、とか追善供養という伝統的な概念を知らない社会で育った人たちにとっては、親の喜ぶ顔を見ることが「親孝行」と信じて疑わないわけです。
単に親を喜ばせることだけが親孝行ではなく、親に対し感謝の気持ちを自発的な行為で表すことが本来の意味だと思います。
これを「報恩感謝」と言います。
現代では本来の親孝行がほとんどなされておらず、年老いた親の地位がとても低くなっているように思われます。
次は、この本当の親孝行がどうすればできるようになるのか、というお話をさせていただきたいと思います。
この場合のキーワードは、やはり「お墓参り」なんですね。