質問
「私は結婚して二十年で、子供はいません。兄弟は妹が一人いて、他家に嫁いでいます。両親は健在ですが、万が一の時にお墓をどうすればいいのか心配です。と言うのは、妹にも子供がいないため、私たちの両親のお墓の面倒を見る人が、私と妹の代が終わればいなくなってしまうからです。きちんとしたお墓を建てたいという気持ちはあるのですが、将来のことを考えるの立てていいものかどうか迷ってしまいます。」
ご自分たち姉妹には子供がいなくて、しかも他家に嫁いでいるということで、将来のことを考えるとだれもご両親のお墓を守っていく人がいなくなるのではないかとのご心配ですね。それで、お墓を建てるべきかどうか迷われています。
これはぜひ迷わずにお墓を建ててあげてください。将来のことはいかようにも良い方法はあります。「誰のために」「何のために」ということを良く考えてください。ご先祖様への感謝、供養と考えれば可能性はたくさんあります。
ご相談の中にはご主人の意見が出てきませんが、一番いいのは、ご主人が主導でご両親のお墓を建て、将来はご主人の家のお墓に合祀することなんです。
この「お墓の学校」でお伝えしていることは、太古の時代から人は亡くなった人を弔い、追善供養としてお墓作りをします。そのお墓はなぜ建てるのか、ここが大事なのですが、まず「ご先祖様への敬い」、そして「亡くなった方への愛、いとおしさ」さらに「家族への慈しみ」感謝の心がお墓作りの源でありますよ、とお話をしてまいりました。
お墓は単なるお骨の入れ場所ではありません。
私たちは木の股から生まれたのではなく、ご両親がいてこの世に生を受けたのです。生前にお墓を建て、ご先祖供養をすることが、いわゆる陰徳を積むことになります。
お墓作りはご先祖様が美化されて、ご両親が老後を安心して送っていただくことにつながります。そしてお墓を守っていく人のことは自然に解決できます。
今お墓を建てることがご両親の為にもとてもよいことなんです。
かつて徳川家の時代がなぜ三百年も続いたのか。これは日本の家制度のおかげであり、家運、家の運びを考えた日本古来の知恵であり、日本人の心なんです。