お墓の成り立ちについては、意外と知られていないと思います。
フランスの哲学者アランは、動物は死者崇拝をもたぬ、つまり人間だけが死者を弔い、お墓を立てると言っております。
世界的には、今から7万年前ネアンデルタール人が死者に花を手向けたことが考古学で明らかです。これがお墓づくりの原点であるといわれています。
そんな太古の昔から、お墓づくりの考えは自然に生まれたんですね。
元々亡くなった方を思いやる、人としての心を形に表したものがお墓なんです。
日本では縄文、弥生時代にはすでに佐賀市の吉野が里遺跡や、青森市の三内丸山遺跡にみられるような、一つの秩序のある村落に整然と墓地を形成していました。
土壙墓から甕棺などに埋葬された死者には、死の意味づけ、死後感というものがなされたことが分かります。
それは、死者は恐ろしく、穢い物として忌避したのではなく、生者と死者が共存できる自然宗教があったと思われます。
土壙から甕棺、箱式石棺へ埋葬方法が強固になったのは、動物が掘り返したりすることや悪霊から死者を守るための変化と考えられます。
その後、石蓋し赤土で周りを固めたり、古墳に置かれている赤土を素焼きして作られた埴輪を置いたりと、とても大切に守られていた様子が伺えます。
このように大昔の人たちも亡くなった方をとても大切にしていたんですね。
これまでもお話ししたように親への敬い、伴侶への慈しみ、子への愛おしみがお墓づくりなんです。
お子様のいらっしゃる方は、ぜひお子様を連れてご家族そろってお参りをし、ご先祖様に手を合わせて感謝の気持ちを語り合っていただけたらと思います。
どうぞ、皆様が健やかに笑顔でありますように・・。