今回はお線香についてお話したいと思います。
皆さんはお墓参りやお仏壇の前でお線香を焚いたことはありますよね。
なぜお線香を焚くのか、ということについてはご存知でしょうか。
お香を焚くという行為は仏式の作法のひとつです。これは仏様やご先祖様にその香りを楽しんでいただくためのもので、ローソクやお花、ご飯や水をお供えすることと同じ「お供え」というものなんです。
同時に、日々穢れた生活を送っている私たちが自らの心身を清めるためのものでもあります。
一休禅師によって紹介された「香の十徳」によりますと、お香には10の良いはたらきがあるといわれています。
まず1、香りは感覚を研ぎ澄ます。2、心身を清浄にする。3、穢れを取り除く。4、眠気を覚ます。5、孤独な中でも安らぎを得る。6、忙しい時でも心を和ます。7、たくさんあっても邪魔にならない。8、少量でも十分に香りを放つ。9、年月を経ても朽ちない。⒑ 常用しても害が無い。
これだけの良いはたらきや特徴があるといわれています。
また一口にお香と言ってもいろいろな種類があります。
たとえばお線香の場合、「杉線香」と「匂い線香」に分けられます。
杉線香は杉の葉を原材料に作られていて、主にお墓参り用の線香として使われています。一方、匂い線香はタブの木の樹皮を粉末にしたものをベースに、様々な香料を調合して作られます。
たとえば現在では伝統的な香りの白檀、沈香、伽羅はもちろん、フローラル系やハーブ系など現代人の好みに合わせて様々な香りの線香が販売されています。
それと、お線香のお供えの仕方について説明します。
まずローソクに火をともして、そこから線香に火をつけます。気をつけたいのは線香に火をつける時、炎を口で吹き消してはいけないということです。人の息は不浄なものとされていますので、手またはうちわなどであおいで消すようにしましょう。それから、線香の火が小さい時は息を吹きかけずに、線香を軽く振ると火は大きくなるんです。