お盆の意味について
今回はお盆についてお話したいと思います。
日本の民族信仰は神道、仏教、儒教のエキスを和漢生薬のごとく取り入れて、永く効き目のある信仰として、人々の平穏無事な暮らしを祈るものです。
言わばいろんな宗教のおいしいところを取り入れているわけですね。
そしてお盆はまさにその結晶、日本の先祖崇拝の美しさなんです。
死んでからも家庭の中にその場を持ち続け、子供たち、孫たち、ひ孫たち、玄孫たちの、未来のすべての世代の愛情を永遠に受け続けることになるんです。
これは日本ならではのとてもすてきな風習ですよね。
お盆は地方地方によって、実に様々な習慣や行事があります。
まず、釜蓋ついたち、と言って旧暦の7月1日にあたるんですが、この日は地獄の釜の蓋が開く日で、亡霊が我が家へ帰る準備を始めます。
亡霊は赤とんぼになって帰ってくるとも言われます。
そして、迎え火。旧暦の7月13日、1日や7日のところもありますが、精霊を迎えるため、各家の門口で苧殻(おがら)の迎え火を焚きます。お墓の前で焚くところもあります。
帰る場所の目印になっているわけです。
それから皆さんご存知のように、精霊をにぎやかに迎えるために盆踊りをします。
最後に旧暦7月16日に、精霊流し、送り火で精霊を見送ります。京都の大文字送り火が有名ですね。精霊流しはお盆の供物とともに仏様を送るのですが、家の中の災いも一緒に流してくれる、という意味合いもあるそうです。これらのお盆行事は日本のすばらしい美といえますね。