お墓って何でしょうか?
お墓と言いますと私たちにはなじみがあるようで、まだまだ知らないこともたくさんあるのではないかと思います。
そもそも、お墓って何なのでしょうか?
お墓はいつごろから建てるようになったんでしょうか?
実は、お墓とは何なのかという問いにもつながりますが、人類最古のお墓の原点として知られているのは、今から七万年前のネアンデルタール人のお話なんです。
考古学の研究によりますと、ネアンデルタール人の人骨が発見されたとき、花の種子が一緒に見つかったのです。
つまりネアンデルタール人は、亡くなった人に摘んできた花を手向けていたわけです。
その行為とその気持ちがお墓づくりの原点なんだと思います。
人類の最も古い祖先のネアンデルタール人が、死者に花を手向けていたことに驚きますが、これこそが人間ならではの行為であり、心なんだと言えるでしょう。
フランスの哲学者アランは「動物と人間の違いは、お墓を建てるか建てないかだ」と書いていますが、まさにその通りです。
ネアンデルタール人たちがいた、そんな太古の昔から、お墓づくりは自然に生まれたんですね。
亡くなった人を悼み、供養する心こそ「人はなぜお墓を建てるのか」という問いへの答えになるのです。
七万年前、ネアンデルタール人たちが死者に花を手向けた行為は、とても素朴ですが、そこには死者を供養したいという心が見えます。
亡くなった方を思いやる、人としての心を形に表したものが、お墓なんです。