今回は「空墓」(からばか)と「福墓」(ふくぼ)のお話です。
くう、からのお墓と書いて「空墓」、幸福の福のお墓と書いて「福墓」、
文字通り中身の無いお墓と幸福を呼ぶお墓という意味になります。
実は時折、団塊の世代の方で昔学生運動、反体制運動をなされたような人の中には、私の話は全く聞いていただけず、何の意味も無い「空墓」(からばか)をお建てになることがあります。
もちろんすべての方がそうだといっているわけではありません。
反体制、反権力に若いエネルギーを燃やすことそのものは否定されることではありません。
ですが、日本のすばらしい伝統文化や宗教心まで否定されるのは大変残念なことだと思います。
お墓を建てる四大原則は、一、家系のご本尊様をむかえること ニ、墓石には奉る全戒名を刻むこと 三、お骨を母なる大地に還すこと 四、家宗派の写経を和紙に書いて納めること この四つがとても大切です。
「空墓」とはその四大原則を無視して、ご本尊様、ご先祖様を祀らないお墓なんです。
お墓は自分が入るためというよりも、神仏やご先祖様を祀るために建てるんですね。
「親の墓は子が建てる」ということが本来で、夫婦単位のお墓の建立が本筋だと私は思っています。
なぜなら、世代交代のたびにお墓を建てることはその家の「歴史」や「アイデンティティー」の相続となるからです。
そうなるとそのお墓は、家の安定を呼ぶ幸福の墓「福墓」となっていきます。
そのためにもお墓は家の財政基盤がしっかりしていないと建たず、当主が次の世代への相続の基盤づくりに励むことになり、その家は長きに渡って安定するんです。
ご先祖様へのお陰様の気持ち、報恩感謝の気持ちが「福墓」を作っていくことになるんです。