「墓じまい」について
今回は近頃話題となっている「墓じまい」についてお話します。
皆様は「墓じまい」と聞いてどんな意味か分かりますか?
よく「墓じまい」と言うからには、お墓を閉じてもう無くしてしまうというような意味にとられます。
でも「墓じまい」といっても、それでもう完全にお墓を閉じてしまうことではないんですね。
本来の意味の「墓じまい」とは、お墓を移転して建てる、これを「改葬」と言うのですが、そのための一つのプロセスなんです。
「改葬」と呼ばれるお墓の移転には、次の4つのプロセスがあります。
一、すでに建っているお墓の閉眼供養、魂を抜くと言う意味ですが、これをした後にお骨を取り出します。
二、元のお墓を撤去して更地に戻します。
三、新しい墓地にお墓を建てます。墓石を移動したり、新しく建てるわけです。
四、お骨を納め開眼供養を行います。
正式にはこの一連の流れを改葬と言いますが、「墓じまい」は2番目の、元のお墓を撤去して更地に戻すことだけを指すんです。
「墓じまい」と言う言葉が興味を引く表現であることから、マスコミや消費者が「墓じまい」イコールお墓を持たなくなる、という誤解をしがちですが、むしろお墓を大切にしていきたい、ご供養を続けていきたい方々が、お墓の引越しのプロセスとして墓じまいをするケースが増えているんです。
これはお墓を持たないのではなくて、むしろ発展的な逆の意味なんですね。
近年、自然葬、散骨などが話題を呼んでいますが、その結果残された家族が手を合わせる対象が無くなり、後悔されるかたがたの声も多く聞かれます。家族の絆、報恩感謝の気持ちを持って、供養の永続性を考えていただきたいですね。